Story
物語とキャラクター紹介
名前もわすれさられた古い城のてっぺんの部屋に少女がひとり。
少女の名は『モア』。
いつの頃からかそこに閉じこめられているようでした。
しかし、モアは自分が閉じこめられているとは思っていません。
なぜなら、その部屋はそこそこ広く、
家具も一通りそろっており、
お風呂やトイレもあります。
そして、彼女にはともだちがいました。
部屋を貫通するほどまでに伸びた大きな木。
名前はウィー・ウィー・ウッドゲート。
そのウィウィをすみかにしている
ネココウモリのポポです。
毎日彼らとおしゃべりして、遊んで、
楽しく暮らしていました。
え・・・。
大きな木とおかしな動物と、おしゃべり?
そう、モアには不思議なチカラがあったのです。
人々は後にその不思議なチカラのことをこう呼びます。
『魔法』と。
はじめて魔女と呼ばれた魔女の、
はじまりの物語。『ヴェルベナ』
モアがいつものようにウィウィに寝そべり本を読んでいると
ポポがあわてた様子でモアのところにやってきました。
「大変だぁ〜城の外で男の子がケガしてる!」
どうやら男の子が城の周りの森でケガをしたようでした。
「待ってて!すぐに薬草を作るから!」
モアが薬草をわたすと、
ポポはすぐさま少年の元へ向かいました。
ポポが少年に薬草を使うと、
みるみるまに少年は回復しました。
少年は見たこともない不思議な動物がしゃべり、
自分を助けてくれたことにおどろきましたが、
すぐに落ち着き言いました。
「ポポ、本当にありがとう。僕の名前はテオ。よろしくね!
彼女にこれをわたしてくれないかな?またくるよ!」
それはヴェルベナの花のしおりでした。
ポポがそれをわたすと、
はじめてのおくりものにモアはとっても喜びました。
あの日から、テオはよく城のまわりに遊びにきては、
モアと手紙のやりとりをするようになりました。
もちろん郵便屋さんはポポです。
ブツブツと文句を言いながらも配達をしてくれています。
手紙の中にはテオの住んでいる村のことや、
まだモアの見たこともない世界がひろがっていました。
きょうみがなかったわけではないけれど、
外の世界の話や、
テオがくれた花のしおりを見るたびに、
モアの外の世界へのあこがれは大きくなっていきました。
こうしてモアは、
外の世界を見るために
部屋から出ようとけついしました。
テオとポポは
外から中に入れないか入り口をさがしますがみつかりません。
モアはこの不思議なチカラで
外に出るための研究をはじめました・・・
Character
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モア
不思議なチカラをもつ少女。古い城に住んでいるが、外には出られない。
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ポポ
ネココウモリ科。ネコなのか、コウモリなのか、それを知るものはだれもいない。
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三精霊
ウィウィにつかえる三精霊。左からガル、ウル、ミル。
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テオ
モアとポポに助けられた少年。モアに外の世界を見せるために協力する。